2005年08月11日

バカボン撃退作戦

親から相続した200坪の家に住み、
職は公務員。
奥さんに内緒で遊ぶ金欲しさにサラ金で借金。

サラ金にとって、この上ない最高級顧客である^^

しかし、この手の公務員。
案外、崩れるとモロいのである。
サラ金は、支払いが遅れない限り、
顧客の状況変化に鈍感である。

その顧客、仮にバカボンと名付けよう。
バカボンはある日、支払いを滞った。

私 「お支払いが確認できていないのですが、どうされましたか?」

バカボン 「払えないんです。」

私 「はい!?^^;(公務員が何をご冗談を)」

バカボン 「もうお金がないんです。」

私 「は?お給料は?手取りで50万はあるはずでしょ?」

バカボン 「・・仕事、・・辞めたんです・・。」

私 「え!?(やば!)」

退職した公務員というのは、とにかく根性がない。
公務員は優良顧客だが、あくまで公務員である間だけ。
退職してしまうと、取りっぱぐれが圧倒的に多い。

私 「じゃあ、もうしかたがないでしょ。奥さんに話すしか。」

バカボン 「・・離婚・・したんです。」

ダメだ・・・やばい・・・。
離婚したという事は、慰謝料までガッポリイカれている可能性がある。
退職金までやられている可能性がある。確認しなくては!

私 「退職金があるでしょう!?」

バカボン 「まだもらってないけど、もらっても嫁に持っていかれる。」

私 「(やっぱり!)・・いつ振込みですか?」

バカボン 「来週。」

ダメだ・・。
今から裁判を起こしても債務名義を取るまでに数ヶ月掛かる。
仮差も難しい。
遅れ数日では本社がOKしない。
もし本社がOKしても、裁判所の書記官が認めないだろう。
退職金の仮差をするには、他に財産がない事を示さないといけない。
持家だから、謄本を上げて、鑑定を依頼して、
オーバーローンだった場合に始めてOKが出る。
来週までにそこまでするのは無理だ・・。

 ※仮差とは、
  「債務名義」はまだないが、
  どうしても今、差押えしておかないと、
  債権回収が明らかに困難になる場合、
  裁判所の書記官の判断で、
  裁判の判決が出る前に、
  「仮に」差押えしておくもの。

結局、その時の交渉は成立せず、
「お金がない」以外の有用な情報も得られず、
途中で電話を切られてしまった・・。

こうなると、頼みの綱は不動産しかない。
離婚したとなっては、200坪の豪邸など不要。
両親は既に他界済みで、子供は奥さん側が引き取った様である。

とりあえず訴訟を起こすと同時に、
不動産の登記簿謄本を法務局へ郵送で申請。
戻りを待つ。

返ってきた謄本を見て愕然とする。
一体、何に使ったのかは不明だが、
建物の新築時の銀行借り入れの他に、
銀行から根抵当、
サラ金から根抵当、
さらには個人名でも根抵当が入っている。
鑑定するまでもないだろう。

「根抵当」というのは、
例えば500万円の限度額の中で、
繰り返し貸し借りをする事の出来る抵当である。
住宅ローンなどは「支払いのみ」なので、
単なる「抵当」である。
担保以外の借金でいうと、
・抵当とは、目的ローンのようなもの。
・根抵当とは、キャッシングのようなもの。
ちょっと違うが、感覚的にはそういう性質のものである。

そして、「個人名での抵当」というのは、
おそらく街金である。それも程度の低い^^;
田舎では、地元の小金持ちが結構やっている。
表向きは個人で金を貸しているのだが、
実質はバックに「ヤ」の人がいたりする^^;
実体は私もあまり詳しくは知らない。
とにかく、そういうのが付いていると、
もう差押えなどしても無意味。
抵当権者が全て持っていくので、こちらには1円も残らない。

しかし、よく見ると、
共同担保目録に、別不動産が載っている。

共同担保目録というのは、
A不動産を担保にお金を借りる時に、
A不動産だけでは不動産価値が足りない場合、
B不動産も一緒に担保に入れたりする。
そんなケースでは、
謄本を請求する時に共同担保目録を併せて請求していれば、
一緒に担保に入れている不動産が載ってくる。
つまり、本人の別不動産を発見する事が出来るのだ。
ただし、他人の不動産を、
その他人が担保提供という形で共同担保にする事も可能なので、
名義の確認は必要である。

一筋の光が見えた。
その謄本を上げてみると・・・

抵当2億・・・
ダメだ^^;
やっぱりこちらもオーバーローン。
しかも個人の根抵当は当然くっついている。

でも、天は私を見捨てなかった。
建物面積約500平米
築4年、共同住宅。

意味がわかるだろうか?
共同住宅。つまりアパートである。
築4年だから、そこそこ綺麗なハイツだろう。

そう♪家賃だ!

早速、住宅地図にて、入居者の名前を調べる。
訴訟の判決を待って、101号室の入居者に対して差押えだ。

かくして差押え命令が101号室の入居者へ送達された3日後、
当社の口座へ当日付け完済金額が満額振込まれていた。
さらに翌日、内容証明にて「直ちに差押えを取り下げしろ」と^^
もちろん直ちに取り下げます。
払ってくれれば文句はございません^^

ちなみに差押え金額は約30万。振込み額は約50万。
差押え金額は利息制限法引き直し額。
振込み額は当社契約利率計算額。
そういうもんである(笑)



今日はお話が長くなりました^^;
ちょっと話題が複雑だったかな?


このブログを続けるのに、
私、かなりのエネルギーを費やしています^^;
興味のない方にまでお願いはしませんが、
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出来れば記事が更新されていなくとも、
1日1回ランキングへの『ぽちっと』をして頂けるなら、
頑張って記事を更新して行きたいと思っています。
posted by 鬼 at 09:18 | Comment(10) | 貸金回収
この記事へのコメント
鬼さん、
「ぽちっと」が日課になりそうです。 
また、「サラ金の借金を完全に解決する方法」のご紹介ありがとうございました。 なかなかコンフリクトのある二つの立場をご紹介頂けるとは有りがたい話です。 
商売人としては、逆サイドから突っ込まれるネタは提供したくないのが常でしょうから。

バカボン、実務は勿論、話の臨場感もあって読み物としても面白かったです。

イソ勉君も喜んでおりました。 どうもありがとうございます。
Posted by dramovies at 2005年08月11日 11:26
私は債権者・債務者どちらの味方でもありません。
社会を批判するのではなく、不公平な社会を受け入れ、その中で生きていく為の知恵を付け、現状の中で、最善を尽くす人を応援します。
お金をめぐる争いは真剣勝負です。
どちらが良い悪いではありません。納得できない事は、泣き寝入りして逃げるのではなく、知識を得て戦う。
泣き寝入りするのか、妥協するのか。
その選択をする以前に、しくみを知らない事には選択すら出来ません。
まずは、その不公平な社会という現実を知ること。スタートラインはそこだと思います。
Posted by at 2005年08月11日 11:55
いやー、仰る通りですな!

確かにお金が絡む話は「真剣勝負」なので、僕の商売も交渉を通して得るものが多いと感じています。
本当の真剣勝負は緊張もするし、何より交渉の参加者が”いい顔”をしてます。僕はそれが見られるだけでも結構いい経験になるなーと思ってます(少し性格悪いかもしれませんが)。
鬼さんのように、「仕組み」や「知識」、あと「経験」を身に着けていくと、段々とそういう真剣勝負の場にも慣れてくるし、緊張もしなくなっていくので、素人さん(含む私)思いの有り難いブログですね!
Posted by dramovies at 2005年08月11日 15:18
被害者的な感覚でものを考えると、
ほとんどの商売が「騙し」です。
値札一つ取ってもそうです。
「半額セール」などと銘打っていても、
実は元々の定価が相場より高いなど、
商売の場では当然の様にあり得ます。
一々「汚いぞ」「卑怯だ」などと言っていてもキリがありません。
商売というのは、元々そういうものです。
「マーケティング」などというものは、
いかにカモにネギを背負わせるか、という発想のもとに考えられたものです。
お金の絡むやり取りは、悪く言えば騙し合い。良く言えばかけ引きです。
どうせなら楽しいかけ引きと考えた方が、人生幸せになると思います。
Posted by at 2005年08月11日 18:16
こんにちわ!ヒサブリにサラ金日記をのぞいてみたら、新しいブログを立ち上げられてたんですネ。読み応えがありますし、民法の物権・債権を具体的にイメージできるので、勉強に弾みがつきます。知識を如何に使うか、それは本当に大事なことなんですが、知識をもともと得ようとしない、持っていても使い方を知らない…などで損をしてしまう。そんなんじゃダメだ!まだ、法律に関しては1+1=2程度の知識しかないですが、どんどん吸収させてもらいます。そして、どんどん使わせてもらいます。早速リンクしておきます。貴重なブログを本当にありがとうございます!!
Posted by はしし at 2005年08月13日 13:21
はししさん、お久しぶりです。
古い読者のコメントは何だかホッとしますね^^
受験勉強に役立つかどうかはわかりませんが、
実務や生活には役立つブログにしたいと思っています。
これからもヨロシクです♪
Posted by 鬼 at 2005年08月13日 14:27
こんにちわ、いつも拝見させていただいています。私も不動産の仕事をしているので、法務局にいき、謄本をよくみます。謄本をみれば、財務状況がどうなっているのかが、わかりまね。バブルのころにお金を借りている方は、この不動産に○○千万!!と驚いたりします。現在の価値が700万ぐらいのマンションが5000万もの抵当権がついていたりします。バブルをしらない世代ですが、恐ろしいですね。
私自身も不動産投資をしていますので、興味深いです。
Posted by 新米★サラリーマン大家さん日記 at 2005年08月13日 15:00
新米★サラ・・さんへ
そのバブル時代に購入した家を守る為に、
破産を回避して個人再生を選択する人がいます。
人によってはそれも良い判断だ、というケースもありますが、
中には物件価値2000万、ローン残高7000万という物件を守るために、わざわざ個人再生を選択する人もいたりします。
せっかくバブルの過ちを破産で清算するチャンスなのに、そこまでしてでもマイホームを守る人がいます。
個人再生の住宅ローン特則は、多重債務者を守る、というスローガンの下に、銀行を守る事を目的としている事も知らずに^^;
資産価値は、新米・・さんのやっている様に、その資産から生み出される利益で決まります。バブル期に購入した不動産を貸しても利益など出なかったでしょう。「資産」の意味を履き違えているから、バブルなどが起こるのです。
そういう意味では、今の株もバブルですよね^^資産の意味すらわからない人が、デイトレなどで投機に走っている・・
ブームが去った後は、確実に相場が下がる・・
Posted by 鬼 at 2005年08月13日 16:05
兄さんこんばんわ。
この記事書くのに費やしたエネルギー・・少しはわかります。
ホントお疲れ様です。そして、興味深くよませて頂いてます。
ワタクシも、英文履歴書と、経済用語記事を書いてる息抜きに遊びにきました。
復帰後は記事にエネルギー費やしています(笑)ので、反応があった時は狂喜しています。
おなかすきました・・・・
Posted by milky at 2005年08月13日 23:58
milkyさん?
英文履歴書って・・
また転職考えてるの?
Posted by 鬼 at 2005年08月14日 09:06
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